【レビュー】日の丸ウイスキー The 1st Editionを3種類の飲み方で味と香りを解説!!

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このウイスキーの特徴を簡単に

日の丸ウイスキー The 1st Editionとは
  • ウイスキー属性:ブレンデッドウイスキー
  • 産地・メーカー:日本(木内酒造)
  • 概要:茨城県産の原料と風土が造ったクラフトウイスキー
  • 飲みやすさ:★★★☆☆☆
  • 味わい:ハチミツの香りとハーヴの薬草感
  • おすすめの飲み方:ストレート
  • 総合評価:★★★☆☆☆
  • 販売状況:限定品の為、すでに終売

このウイスキーについて

ボトル画像引用:日の丸ウイスキーHP

今回は、筆者の地元「茨城県」初のクラフトウイスキー「木内酒造」からリリースとなった「日の丸ウイスキー The 1st Edition」のレビューをお送りします。

木内酒造について

木内酒造は茨城県那珂市にある造り酒屋で、創業は1823年「常陸の国那珂郡鴻巣村」の庄屋であった「木内儀兵衛」が酒づくりを始め、200年続く造り酒屋になります。

地元では有名な清酒「菊盛」をはじめ、日本一の梅酒にも輝いた経歴がある「木内梅酒」を造っている酒屋で、茨城県民の間ではとてもポピュラーな酒蔵です。

ビール事業もやっている

そんな「木内酒造」ですが、世界進出をしています。きっかけとなった商品は「常陸野ネストビール」というクラフトビール。

ロゴマークの「フクロウ」が印象的なこのビールは、世界50カ国で愛され国内のクラフトビール市場でも確かな実績を残しているんです。

通常のラインナップには、様々なスタイルやフレーバーがあって非常に美味しいのですが、日本で開発されたビール麦の原種「金子ゴールデン」日本で育種されていたホップ「ソラチエース」を使った「ニッポニア」は日本オリジナルの材料だけで醸造された希少なビール

ちなみに、ロゴマークの「フクロウ」は蔵の庭に住み着いた「フクロウ」がモデルで、本来は「コウノトリ」をロゴマークにするつもりでした。しかし欧州では「縁起が良くない」という事で「フクロウ」を採用!!

また、名前の「常陸野ネスト」の「ネスト(nust)」とは「ねぐら」という意味で、蔵をねぐらにするフクロウに肖ったものなんです。

新たな挑戦「八郷蒸溜所」について

さて、木内酒造が所有する蒸留所は現在2箇所あります。一つは「ビールの醸造」の拠点となる「額田醸造所」の一角を改装して出来た蒸溜施設。そして、茨城県としては本格的なクラフトウイスキーを製造するために出来た石岡市にある「八郷蒸溜所」です。

(ちなみに石岡市は「渡辺直美」の出身地)

この「八郷蒸溜所」はキレイな外観をしていて蒸溜所っぽく見えませんが、実は元々「公民館」だった建物をリノベーションして作られた蒸溜所なんです。

あるものは再利用しながら使うことによって無駄なゴミもなく、環境にも優しい。これって木内酒造がモットーとしている企業理念だそうですよ!!

ウイスキー造りのきっかけ

そして、この企業理念である「無駄を出さない」という考えこそがウイスキー造りをも生み出す事になります。

ビール事業を展開する上で、原料となる「大麦」を栽培していると、ビールに適さない麦があり「廃棄」されている事に解決策を考えていました。

というのも、ビール事業の為に新たに開いた畑では「適した大麦」の他に、「タンパク質が多すぎる大麦」があり農家は廃棄という選択肢しかありませんでした。

そこで「もったいない精神」の木内酒造は、スコッチウイスキーに精通していた副社長の考えを具現化し、廃棄してしまう麦をウイスキー造りに役立てる事にします。

こうする事によって、農家の負担は減り栽培される「麦」はまんべんなく使用され事になります。この「無駄なく使えるものは使う」という精神は茨城県の県民性でもあります。(たぶん・・・)

水戸は昔からリノベーションが盛んだった!?

水戸黄門で有名な「水戸光圀」、実は若い頃はヤンチャで水戸藩の財政を破綻寸前にまでした「荒くれ者」であり、現在でいうと「ヤンキー」でした(笑)

そんな、水戸藩は厳しい財政の中で再利用を積極的に行い水戸城の天守閣などリサイクルとリノベーションの塊だったんです。水戸城の門は現在「水戸一高」の門としてそのまま利用されています。

また、水戸と郡山を結ぶJR水郡線では、水戸駅を出てすぐの所に旧水戸城のお堀を再利用して通した線路があり、茨城県内には色々な所に「もったいない精神」が息づいています。(たぶん・・)

念願の初リリースボトル誕生

少々話は脱線しましたが、木内酒造が「大麦の無駄を無くす」という理想を叶えるために始まったウイスキー事業。蒸溜所の建設や原酒の熟成を行い、ようやくオフィシャルリリースとして初となる念願のクラフトウイスキー「日の丸ウイスキー The 1st Edition」が発売されました。

この「日の丸ウイスキー The 1st Edition」はブレンデッドウイスキーで、使用されている原酒は「八郷蒸溜所」と「額田蒸溜所」で蒸溜された「モルト原酒」と「グレーン原酒」が使われています。

地元産にこだわった茨城産の大麦で作られたモルト原酒と、茨城産の小麦や一部に「米」を使ったグレーンウイスキー原酒が使用されており、造り酒屋のスピリットが宿る個性豊かなウイスキーに仕上がっているのではないでしょうか!?

200年の歴史を誇る酒蔵だけに、普通はドライイーストを用いた発酵にも「自社酵母」の培養を行うなど、ウイスキー造りの概念に囚われないスタイルは今後も注目!!

さて、満を持してリリースされた「日の丸ウイスキー The 1st Edition」をいつものように3種類の飲み方でレビューしてみたいと思います。(地元のウイスキーではありますが忖度なしでレビューします

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テイスティング(実際に飲んでみた)

テイスティング ウイスキー ストレート ロック ハイボール グレンケアン

フレーバーチャート

味わいチャート

ストレートで飲んでみる

香り

  • ハチミツ、メイプル、ラングドシャ、スモモ、乳酸菌飲料、ユーカリ、米焼酎

味わい

  • ハチミツの優しい甘さ、ユーカリなどハーブっぽい甘さとビター、若干のナッツ感

感想

では、最初はストレートで飲んでみます。こういった類の初物は開栓前から高揚してしまいます。

香りは、ハチミツの野生感のある甘い香りが印象的で他にはメイプルシロップ、ラングドシャのミルキーで香ばしい香りがします。少し時間を置くと、スモモの様な酸味、また乳酸菌飲料に似た香りも感る様になりました。また、香りの中に草っぽいハーブ感とナッツの香ばしさなども感じられます。

口に含むと、アルコールのピリッとした刺激がありますがケミカルな感じではなく甘みがしっかりとしているので不快ではありません。ハチミツの甘さがジンワリと広がってハーブっぽい薬草感とユーカリの様な甘さが追いかけますが、若い原酒の為にすぐに消えてアルコールの甘さだけが残ります。

全体的にウイスキーのモルト感はありますが、米焼酎に近い物を感じます。この様な表現をすると「安い味わい」と勘違いされるかもしれませんが、「安いではなく若い味わい」が適切かもしれません。蒸留された原酒の個性が強く、樽の特性があまり反映されていない味わいです。

「一部に米を使用」とあるので、米焼酎っぽさはむしろ自然でこの原酒が数年の熟成を場合の味わいを想像すると非常に興味が湧いてきます。

ロックで飲んでみる

香り

  • ハチミツ、和三盆、ユーカリ、納屋

味わい

  • 栗やサツマイモなどの甘さ、ユーカリ感のあるオイリーなビターと甘み

感想

次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。香りは、ハチミツと和菓子っぽい濃密しっとりとして和を感じる甘さを感じます。またストレートの時よりオイリーに感じるユーカリ感とホコリっぽさがある納屋のような香りがじんわり漂っています。

口に含むと、洋風とはちょっとニュアンスの違うサツマイモの様な甘さと、ユーカリなどのオイリーな甘さがアフターへと続きます。草などを感じるビターもありますが、しつこい感じはなく青々とした清涼感も伴います。全体的にストレートの時よりも「焼酎感」は増してモルティな要素は減ってしまいました。

穀物の甘さや香ばしさよりも、ハーブや草の様な植物感が大きくなり、そこへアルコールの甘さが乗っかってくるのでウイスキーというより「テキーラや焼酎」の様なスピリッツ感が印象的です。

ハイボールで飲んでみる

ハイボールで飲んでみる イラスト画像

香り

  • ハチミツ、タンス、田んぼ、納屋、ユーカリ

味わい

  • 薬草感のある甘みとビター、飲み込む時の独特な香り

感想

最後はハイボールで飲んでみます。香りは、まずハチミツが優しく香って、その他にタンスや納屋のホコリっぽい感じと、田んぼの畦道みたいな湿原感、湿った草の様な自然の香りを感じます。そして、ハイボールでも独特の甘さがあるユーカリやリコリスの様な薬草感も残っています。

口に含むと、「喉に良い」と思わせるようなハーブ感とハチミツの甘さが広がり淡いビター感も同時に感じられます。また、飲み込む時にユーカリやハーブなどの独特な香りが鼻に抜けていきます。系統的にはやはり「米焼酎やテキーラ」に近い感じがします。

以前、レビューを行った「デュワーズ8年イリーガルスムース」も似たようなニュアンスでしたが、ド直球の草っぽさではなく、少し間に柔らかい香味「ポン菓子」の様な香ばしさがあるので、飲みやすさの点では個人的にコチラに軍配が上がります。ただ、クセが若干ある味わいなので、好みは分かれるでしょう。

まとめ

まとめ イラスト画像

ウイスキーという概念で見るとかなり「奇をてらった感じ」がしますが、「若さ」という時間をかける事でしか解決できない部分が非常に多いので、今後の原酒の成長が非常に楽しみです。

造り酒屋であることの強みを生かして「酵母」による発酵技術のノウハウや、ビールや果実酒などの事業からアイディアが今後、ウイスキーにも反映されるかもしれません。

「材料を無駄にしない」という考えから1つの銘柄のリリースに繋がったわけですが、他にも熟成庫にある様々な試みの原酒が今後どの様な味わいに成長するのか!?非常に楽しみでなりません。

今回の「日の丸ウイスキー The 1st Edition」は、「若さ」や「実験的」など色々と思う所はあります。しかし、何より200年の歴史ある地元の造り酒屋の新たな挑戦を肌で感じれたことは貴重な体験でした。今後が非常に楽しみです♪♪

最後までお読みいただきありがとうございました。今回の「日の丸ウイスキー The 1st Edition」は3,000本限定ということですが、もしかしたら増産!?もあるかもしれませんので、気になる方は要チェックです。

「常陸野ネストビール」の基本セット

日本一の梅酒に輝いた「木内梅酒」

レビュー時に使用しているグラスです。一応クリスタルですが丈夫で安定感があり使いやすい♪

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