北陸・富山県にあるクラフト蒸溜所「三郎丸蒸留所」から限定ボトル「THE SUN 2023」が発売されました!
今回は、三郎丸蒸留所が「ブレンデッドウイスキーの新境地」と謳う「THE SUN 2023」をご紹介いたします!
このウイスキーを簡単にまとめると
このウイスキーについて
三郎丸蒸留所とは
現在、日本には多くのウイスキー蒸留所が存在しますが、その中でも富山県にある「三郎丸蒸留所」は、独自のアプローチと革新的な技術によって、ウイスキーラヴァーの心を掴んでいます。
「三郎丸蒸留所」は1952年に誕生し、戦後の米不足を乗り越え、冬には日本酒を仕込み、夏にウイスキーを蒸留するというユニークなスケジュールで年間200回の仕込みを行っています。さらに、今後は300回にまで増産予定というから驚きです。
「三郎丸蒸留所」はスモーキーなウイスキーにこだわり、アイラピーテッド麦芽から始まり、最近では富山県産ピーテッド麦芽を使用。風味を大切にし、冷却濾過や着色を行わずに自然な個性を引き出しているところも魅力的です。
革新的な技術も駆使し、2018年には最新のマッシュタンを導入し、2019年には鋳造製のポッドスチル「ZEMON」を導入。2020年には木桶の発酵槽を採用し、伝統と革新を融合させたクラフトウイスキー蒸溜所です。
歴史ある文化と革新が混じり合う「三郎丸蒸留所」は今後も、日本ウイスキー界からの注目を集め続けるでしょう。
鋳造製のポットスチル「ZEMON(ゼモン)」は生産量によって容易に拡張できる優れたポットスチル!!
伝統を重んじながらも革新的なアイディアを駆使しウイスキー界に革命を起こしている「三郎丸蒸留所」は、世界からも注目を集めています!
三郎丸蒸留所「THE SUN 2023」
前作となる「三郎丸ウイスキー2022 THE SUN」では、イギリスで開催される世界的コンクール「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)2023」で「ベストインターナショナル・ブレンデッドウイスキー」を受賞し、大きな話題となりました。
そして、今年(2023年)も”ブレンデッドの新境地”と謳う「THE SUN 2023」が6,160本限定で発売されたのです。
THE SUN 2023のコンセプト
「THE SUN 2023」は、三郎丸モルトと自家熟成グレーンによるブレンデッドウイスキーです。ピーティーなアロマとユニークな味わいを生み出すというコンセプトに基づき、ブレンデッドの新境地を目指して造られました。
三郎丸モルト
全体の過半数を占める三郎丸モルトは、2019年に蒸留されたもので、熟成樽には富山県利賀のミズナラ樽、バーボン樽、シェリー樽が使用されています。これにより、幅広い香味が引き出され、ピーティーな香り、スイートな風味、そしてミズナラ樽由来のオーキーさが調和されています。
自家熟成グレーン
12年以上熟成された自家熟成グレーンは、井波で焙煎された樽や長野県のワイン樽で熟成されています。これにより、多層的な香味が形成され、三郎丸モルトとのブレンドによって一体となって、全体の味わいを支えています。
クラフトウイスキー界の風雲児「三郎丸蒸溜所」が提案するブレンデッドウイスキーの新境地!!それが「THE SUN」です!!
世界的に認められた銘柄となれば、ますます飲んでみたくなりますね!!
では、今回もストレート、ロック、ハイボールの3種類の飲み方でレビューを行ってみたいと思います。是非、最後まで御覧ください。
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみる
香り
- バニラ、干し柿、バナナ、干し草、オーク、アーモンド、ピート、スモーク
味わい
- オーキーで甘いバニラ感、静かでコシのあるピート感
感想
まずは、ストレートから飲んでみます。
香りは、バニラやバナナの甘い香りが広がり、グレーン色が強い印象があります。その後、干し草や干し柿の牧歌的なニュアンスが感じられ、アーモンドの香ばしさ、全体を包むオークとピーティーなアクセント、そしてスモーキーさがそれぞれ調和しています。
口に含むと、スモーキーで甘いバニラの風味が広がり、スパイシーな要素も次第に現れます。そして、ビター感が強まり、ピートとスモーキーな余韻がゆっくりと消えていきます。
全体的な印象はドライですが、じっくり探求すると、フルーティーな香りとスモーキーでピートのニュアンスが交じり合った味わいが感じられます。これは他のクラフトウイスキーとは異なり、本場スコッチウイスキーの特有の風味を思わせるものです。日本のウイスキーがここまでスモーキーな味わいを表現する時代が来るとは、想像もしていませんでした。
若さこそややありますが、スモーキーなオーク感、全体をまとめている良質なグレーンの心地よさ、個性的ですがバランスが取れているのは流石です!!
ロックで飲んでみる
香り
- スモーク、シトラス、ピート、バニラ、干し柿、オーク
味わい
- ほろ苦さとシトラス感のあるビター
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。
香りは、内陸系(スコッチ)の風味に似た心地よいスモークが感じられ、爽やかなシトラスとツンと香るピートの香りがしっかりと絶妙に調和しています。その奥にはバニラや干し柿、オークの樽からの香りも感じられます。
口に含むと、ドライなスモーキー要素とピート感が口いっぱいに広がり、その後にシトラスのビターが追いかけてきます。そして、ウエハースのような香ばしさと軽やかなオークの風味も感じられ、アフターにかけてスモークとビターが相互に調和しつつ徐々に消えていく余韻となります。
香りの面ではスモーキーさが際立ち、味わいの中でモルトの香ばしさが強く感じられました。同時に、ビター感はやや強まり、ハードな印象を与えますが、不思議なことに全体的にまろやかさも感じます。これは、質の高いグレーンが影で全体をバランス良く支えているからかもしれません。
シトラスとスモーキーなフレーバーがとても心地よく、サッパリとしていますがコクがあって飲みごたえのある味わいが楽しめます!
ハイボールで飲んでみる
香り
- スモーク、ピート、ビスケット、ダークチョコ
味わい
- フローラルで香ばしいビター
感想
最後はハイボールで飲んでみます。
香りはやや控えめですが、スモーキーな香りとピートのニュアンスが活き活きと感じられ、奥深くにビスケットの香ばしさとほろ苦いダークチョコレートの香りが広がります。
口に含むと、スモーキーさの中に華やかなフローラルなニュアンスがあり、次にモルトの香ばしさが口いっぱいに広がります。その後、ビターが追いかけてきて、アフターテイストではスモーキーな特徴と絡み合いつつ、すばやく消えていきました。
華やかな香りとスモーキーでさっぱりとした味わいが絶妙に組み合わさったハイボールは、夏にぴったりの一杯です。ボトルネーム「THE SUN」なのも納得の味わいが楽しめるハイボールです!
清々しくスモーキーな味わいは夏にピッタリ!!暑さで疲れた身体をシャキっとさせてくれます!!気をつけないとあっという間になくなってしまいそうです。
まとめ
新境地を開拓したブレンデッドウイスキー「三郎丸 THE SUN 2023」のレビューでした。
三郎丸蒸留所はそのスモーキーさで広く知られていますが、このウイスキーも期待に応える、爽やかなスモーキーさが感じられました。ブレンデッドウイスキーはしばしばシングルモルトに比べて注目度が低いとされがちですが、グレーンウイスキーの使用により、その味わいの幅は限りなく広がります。
「THE SUN 2023」もその例外ではなく、自社製のモルトと自家熟成のグレーンを絶妙に調和させたバランスは、スモーキーさを前面に押し出しつつ、夏の日差しを思わせる爽やかなシトラスの鮮やかさを添えています。
また、使用される樽の種類も志向が施されておりブレンドによってストレート、ロック、ハイボールと飲むスタイルによって様々な表情を見せてくれます。
ジャパニーズクラフトウイスキーの歴史はまだ浅いですが、このウイスキーはスコッチ好きの方にも満足感をもたらし、同時にジャパニーズらしい繊細な個性も楽しめる点は、ものづくりの精神が存分に生かされている証拠だと思いました。
「三郎丸 THE SUN 2023」は夏にぴったりのテイストで、特にロックやハイボールとして楽しむとボトルネームにふさわしい特徴を味わうことができます。限定約6,000本という希少性もありますが、山崎や白州などと比べるとまだ手に入る可能性もあります。見かけた際には、ぜひチェックしてみてください!!
最後までお読み頂きありがとうございました。
テイスティングに使用しているグラス「ゲレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。
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