ウイスキー蒸溜所に行かれたことはありますか!?蒸溜所では、製造工程の見学ツアーや蒸溜所でしか手に入らないウイスキーを入手することが出来ます!!
今回は、ニッカウヰスキー「余市蒸溜所」で限定販売されている「余市蒸溜所限定ブレンデッドウイスキー」をご紹介します!!
このウイスキーを簡単にまとめると
余市蒸溜所について
日本ウイスキーの父である『竹鶴政孝』は、当時在籍していたサントリーの「山崎蒸溜所」を退所し、自身の求めるウイスキーの味わいを実現するために、”理想の地”を探していました。
ウイスキー造りにおいて大切な”冷涼な気候”や大麦の乾燥に用いる”ピート”の採取が可能で、自身がウイスキーの研修を行ったスコットランドの風土に類似している北海道余市町にニッカウヰスキーを設立します。
ウイスキーを販売出来るようになるまでは、最低でも3年ほど熟成の期間が必要になります。その間、竹鶴は余市の名産品である”リンゴ”をジュースにして販売し、会社の存続を確保したそうです。そして、これこそが、現在の社名でもある「ニッカウヰスキー」の前身「大日本果汁」であり、ニッカは「ニホンカジュウ」の略語から命名されました。
次は余市蒸溜所の特徴についてご紹介致します!!
世界的に希少な「石炭直火蒸溜」
「余市蒸溜所」では、今でも蒸溜方法に石炭による直火蒸留を採用しています。
竹鶴自らがスコットランドで学んだ蒸留方法に習い、余市蒸溜所では「石炭」による直火蒸留を今でも行っています。
本来であれば、効率や安全面から考えても「スチーム式」や「ガス式」へ転換するべきところを「余市蒸溜所」ではあえて「直火」それも「石炭」にこだわります。
その理由として、石炭による圧倒的な火力により得られるモルトの力強さと香ばしさがあります。直火で蒸留すると、蒸留釜の底ではもろみに焦げが生じます。この焦げこそが、香ばしいモルトを生み出し、同時に力強くコシのある味わいが生まれるのです。
非効率であっても創業者:竹鶴の理想と情熱が今もなお受け継がれているわけです。
現在では貴重な「石炭直火蒸留」は竹鶴政孝の情熱への証なんですね!!
余市蒸溜所限定ブレンデッドウイスキー
余市蒸溜所限定ブレンデッドウイスキーは、余市のモルト原酒に自社のグレーン(宮城峡カフェグレーン)をブレンドしたウイスキーで、余市ならではの石炭直火蒸留による力強いモルト原酒をベースにし、飲みやすさと味わい深さを両立したウイスキーです。
余市蒸溜所というとシングルモルトを目当てで訪れることが多いかもしれませんが、ウイスキーに馴染みのない人にも喜ばれるテイストに仕上げられているので、お土産として、ご自宅用としても重宝するボトルです。
箱の水色は余市の海岸線を形どったラインで、蒸溜所を訪れた記念にもピッタリですね!!
個性的な味わいの余市ですが、このブレンデッドウイスキーであれば飲みやすくお土産にも重宝しそうです!!
では、今回もストレート、ロック、ハイボールの3種類の飲み方で味と香りを確かめていきましょう!!
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみる
香り
- レモンピール、ビスケット、キャラメル、ピート、スモーク
味わい
- グレーンの軽やかな甘さ、淡いピート感
感想
まずは、ストレートで飲んでみます。
香りは、爽やかなレモンピールにビスケットやキャラメルの甘く香ばしい香りがあり、モルトというよりはグレーンが主体の印象があります。また、余市らしいピーティーでスモーキーな香りもあり、余市モルトの存在もしっかりと感じることが出来ます。
口に含むと、軽やかな甘さが広がってすぐに、スパイシーさとビターが追いかけてきます。そのまま、ビターは続き、ピートの香りとややスモーキーな香りがゆっくりと消えていきます。
全体の印象は軽やかでライトピート、グレーンの甘さにシトラスがよく馴染んでいて初心者にはビター過ぎるかな!?といった感じもしますが、余市の特徴を含んでいながら飲みやすく良い塩梅にブレンドされていると思いました。
思いのほかピーティーな印象でした!シトラスのビターが人によってはハードに感じてしまうかもしれませんが、グレーンの甘さとのバランスが凄く良いです。
ロックで飲んでみる
香り
- レモンピール、シトラス、食パン、キャラメル、ピート、スモーク
味わい
- 香ばしくビター
感想
次はオンザロックで飲んでみます。
香りは、レモンピールにシトラス系の果肉っぽいジューシーさがあり、食パンのしっとりとした穀物感、キャラメルが静かに香ります。また、少し奥まったところにピートやスモーキーな風味もちゃんとあります。
口に含むと、グレーンの滑らかで香ばしい甘さとシトラスの爽やかなビターが膨らみます。そして、ビターはさらに膨らみ、柑橘の皮をかじったくらいの感覚までくると、モルトのスモーキーな風味が現れてピートを感じる余韻がしばらく続きます。
飲んですぐのグレーンから余韻にかけての余市モルトのピーティーな味わいは日本のウイスキーではあまり見られない、本格志向の味わいだと思いました。余市のプライドを感じます。
飲みやすいグレーンの味わいに余市らしさのアクセント。この類のブレンドはニッカウヰスキーならではの味わいですね!!
ハイボールで飲んでみる
香り
- レモンピール、キャラメル、ビスケット、カカオ、ピート、スモーク
味わい
- ピーティーで香ばしいモルト感、ビター
感想
最後はハイボールで飲んでみます。
香りは、レモンピールにキャラメルやビスケットの香ばしさ、そしてカカオのほろ苦い感じと潮気を感じるピーティーなスモーク感があります。
口に含むと、グレーンの香ばしい甘さにシトラスの爽やかな柑橘が香ります。そして、ビターが膨らみながら、徐々に潮気が追いかけてきてビターとスモーキーな香りが余韻で香り消えていきます。
ふわっと香るピート、スモーク、そして潮気のある香ばしいモルト香。このウイスキーはハイボールが最も良い部分を引き出す飲み方かもしれません。ストレートやロックでは強すぎるビターも、ハイボールなら心地よく響きます。そして、何よりもちょっと潮っぽさがあるのも余市らしいですね!!
余市のピーティーで潮気のあるモルト香が軽やかな味わいの後にふわっと香ります。塩が入っているわけではないのにウイスキーって本当に不思議ですね!!
まとめ
余市蒸溜所限定ブレンデッドウイスキーのレビューでした。
蒸溜所でのウイスキーの購入は、その旅の思い出を形にする素晴らしい方法です。余市蒸溜所では、他にも多くの魅力的なシングルモルトやグッズが販売されていますが、ウイスキーを買わずに帰るのは惜しいですよね(笑)。
迷ってしまうかもしれませんが、余市蒸溜所に足を運んだならば、「余市蒸溜所限定ブレンデッド」は外せない一本だと思います。
このウイスキーはブレンデッドなので、シングルモルトに比べて飲みやすく、価格も手頃です。さらに、余市ならではの香ばしくビターな味わいを楽しむことができ、余市の風土を感じる潮の香りまで味わえます。
ハイボールや食中酒として楽しむだけでなく、訪れた思い出としてパッケージからボトルデザインまで飾っておくのも良いでしょう。
普通に手に入るニッカレギュラーボトルとは明らかに味の特徴が異なる「余市限定ブレンデッド」。余市蒸溜所を訪れた際には、このウイスキーを忘れずにチェックしてください!
最後までお読み頂きありがとうございました。
テイスティングに使用しているグラス「ゲレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。
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