

こんにちは!ウイスキーの魅力と楽しさを伝えるカエル「sister-ley」です!




今回は、「VAT 69ブレンデッドスコッチウイスキー」の解説&レビューを行っていきます!
VAT 69の基本情報とスペック
| カテゴリー | ブレンデッドスコッチウイスキー・NASスコットランド |
| メーカー | ディアジオ社(スコットランド) |
| ブランド創設 | 1882年(ウィリアム・サンダーソンによる)140年の歴史 |
| アルコール分 | 40% |
| 内容量 | 700ml |
| 価格帯 | 1,200円〜1,988円(税込・2024年現在) |
| コンセプト | 100種類の中から選ばれた69番目の樽品質の証 |
| 味わいの特徴 | 穀物系、レモン、青リンゴ、軽いスモーキー |
| キーモルト | ロイヤル・ロッホナガー蒸留所プレミアム原酒 |
| 主要原酒 | 約40種類のモルト+グレーンウイスキー複雑なブレンド |
| おすすめの飲み方 | ハイボール、ロック、水割り |
| 文化的価値 | 『バンド・オブ・ブラザース』登場歴史的意義 |
なぜVAT 69がおすすめなのか?【4つの理由】


圧倒的なコストパフォーマンス
1,000円台で購入できるブレンデッドスコッチながら、ジョニーウォーカー ブルーラベルと同じキーモルトを使用。この品質でこの価格は他に類を見ません。
歴史に裏打ちされた品質
1882年の創設以来、100種類の中から選ばれた69番目の樽という誇り高き物語。創業者の品質へのこだわりが現在も受け継がれています。
文化的アイコンとしての価値
『バンド・オブ・ブラザース』でニクソン大尉が愛飲したことで世界的に有名に。戦場での「心の支え」として描かれた特別な存在感です。
ハイボールでの真価発揮
ストレートでは個性的すぎる味わいも、ハイボールにすることで驚くほど爽やかで飲みやすい一杯に変身。コスパ最高の食中酒です。
VAT 69の歴史 – 69番目の樽の物語


1882年:伝説の誕生 – 100種類からの選択
VAT 69の物語は、1882年にウィリアム・サンダーソンが行った壮大な実験から始まります。彼は自身が作り上げた100種類のブレンデッドウイスキーを樽(Vat)に詰め、専門家による厳正なブラインドテイスティングを実施しました。
品質への絶対的な自信 専門家パネルが満場一致で「最高のブレンド」として選んだのが、奇しくも69番目の樽でした。サンダーソンはこの結果に絶大な自信を持ち、その番号をそのままブランド名として採用。これは単なる数字ではなく、最高品質の証なのです。





100種類も作って69番目が選ばれたなんて、まさに運命的!品質への自信がブランド名に表れていますね。
革新的な製法の確立 当初はポートワインのボトルに詰められて販売され、球根状の首を持つ特徴的なボトルデザインは100年間変更されませんでした。これは品質とデザインの両面でのこだわりを示しています。




それでは順に解説していきます。まず「VAT」についてですが、これはウイスキーの熟成に使われる樽の名前に由来します。






サイズ別に「バレル」、「ホグスヘッド」、「ヴァット、パンチョン」と大まかに分けることができます。「バレル」はアメリカンウイスキーの熟成に使われる事で有名で、内容量が小さい分熟成も早く進みます。




そして2番目に大きい「ホグスヘッド」は「バーボンバレル」を解体し、組み直すことで出来る樽で豚一頭分の重さがあることから名付けられました。




「パンチョン樽」はサントリーが熟成に使っていることが有名で、300~500Lとサイズもマチマチ、材は「アメリカンホワイトオーク」が使われています。




そして「ヴァット」樽ですが、ラテン語で「大きい」を意味します。主にスペインのアンダルシア地方原産の「シェリー」という酒精強化ワインに用いられる樽で有名です。ボトルネームのVATは、このヴァット樽に由来しています。




そして「VAT69」の「69」についてですが、ブレンドされたウイスキーをヴァット樽に各レシピごとに貯蔵、その後テイスティングの際「みんなこぞって69番目の樽が一番良い」と評価が揃ったことにより、69番に使われたブレンドレシピを採用した事に由来しています。


1933-1935年:ディアジオグループへの統合
1933年にBooth’s Distilleriesと合併し、1935年にはDCL(現在のディアジオ)グループの一部となりました。この統合により、より多様な原酒へのアクセスが可能となり、現在の約40種類のブレンド構成の基礎が築かれました。
世界的な認知度の向上 1914年にはアーネスト・シャクルトンの帝国南極横断探検に携行され、禁酒法解除後のアメリカでも最も人気のあるウイスキーの一つとなりました。




アメリカの禁酒法解除後に人気を博したということは、本当に品質が認められていた証拠ですね!




「VAT69」というブレンデッドウイスキーはアメリカでとても流行った時期がありました。



それは、ボトルネームに由来しています。




良い子のみんなにはとても言えない話だけど、「69」という数字に妙な期待を持ったアメリカでは「飛ぶように売れた」のだとか・・・(笑)何とも・・・。


『バンド・オブ・ブラザース』との文化的つながり


ニクソン大尉の愛飲酒
VAT 69が現代において特別な意味を持つ最大の理由は、HBO制作のTVシリーズ『バンド・オブ・ブラザース』での描写です。第101空挺師団の情報将校ルイス・ニクソン大尉が、戦場のあらゆる状況でこのウイスキーを探し求める姿が印象的に描かれました。
戦場での心の支え
ニクソン大尉にとってVAT 69は、極限状態の中で唯一心を落ち着かせる「ささやかな贅沢」であり、失われた日常との確かな繋がりを象徴するアイテムでした。
文化的アイコンへの昇華
この作品を通じて、VAT 69は単なるアルコール飲料を超え、逆境における人間のこだわりや人間性を象徴する文化的アイコンとしての地位を確立しました。





戦争という極限状況で求められた一本だからこそ、特別な意味を持つんですね。物語の力でウイスキーも文化的価値を得るんです!
ブレンド構成の秘密 – 高級原酒を隠し持つ安酒


キーモルト:ロイヤル・ロッホナガー蒸留所
VAT 69の最大の秘密は、そのキーモルトにあります。主要なモルト原酒として使用されているのは、ハイランド地方の名門「ロイヤル・ロッホナガー蒸留所」の原酒です。
驚くべき事実
このロイヤル・ロッホナガーは、ジョニーウォーカー ブルーラベルのキーモルトの一つでもあります。年間生産量が少ないことで知られる貴重な原酒が、1,000円台のVAT 69にも使用されているのです。
40種類以上の複雑なブレンド
VAT 69は約40種類以上のモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドして造られています。
構成比率
- グレーンウイスキー:90%以上(主にトウモロコシ・小麦原料)
- モルトウイスキー:10%未満(ロイヤル・ロッホナガー他)
この比率により、軽やかで飲みやすい特性を保ちながら、モルトウイスキーの個性も楽しめる絶妙なバランスを実現しています。




グレーンウイスキーがベースだから軽やかで、そこに高級モルトのアクセントが効いているんですね!



話は脱線しましたが、「VAT69」の味と香りなど、今回も3種類の飲み方でレビューしていきます!
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VAT69を実際に飲んでみた


VAT69のフレーバー
VAT69の味わい
ストレートで飲んでみる


香り
バニラ、ハチミツ、キャラメル、ハーブ、塩バニラ、ライム、ゴム
味わい
砂糖や果実の優しい甘み、柑橘感のあるアフター
感想
香りは、バニラやキャラメルといった甘い香りにハチミツやハーブ、ライムの酸味や苦味を持つ柑橘と、ゴムのような香りも感じ取れます。
口に含むと、砂糖や果実の甘さが口に広がり、モルトの樽香がわずかに香る印象。アフターにかけて柑橘のビターさと酸味を感じますが、ややオイリーな舌触りの中にほんのりと感じる程度です。
味わいは全体的に良い意味で薄く、「ライトボディーの極み」のような味わいで、濃いモルトを飲み慣れている人には「水」とも思えるくらいのさっぱりとした仕上がり。軽快で軽い飲み口を好むアメリカでヒットした過去があるのも、こういった軽やかでさっぱりとした味わいが要因なのでしょう。
個人的に「カティサーク」に近いと思ったので飲み比べてみました。味の傾向は似ていますが、「VAT69」の方が圧倒的に軽い味です。「カティサーク」は「VAT69」に比べるとオイリーでピートも感じ、酸味が際立った印象があります





初心者の方に「どちらが飲みやすい?」と聞かれたら、間違いなく「VAT69」とお答えするでしょう。


ロックで飲んでみる


香り
ハチミツ、メイプル、キャラメル、ライム、レモン(シトラス系の香り)
味わい
ややスパイシー、ビター、氷を入れてもさっぱりとした味わい
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。
香りはハチミツ、メープルといった自然な甘さが感じられ、キャラメルの少し焦げたような香ばしさ、そしてライムやレモンといったシトラスの酸味や苦味が漂います。
口に含むと、砂糖のような甘さは少し落ち着き、スパイシーな刺激を感じる印象。アフターにかけてミントやハーブのような薬草感を伴ったビターがじんわりと広がり、モルト感のある余韻がスッと消えていきます。
冷えたことでビター寄りの味わいに変わりましたが、変わらず「ライト」で「薄い」印象は同じです。物足りなさもありますが、飲み口の良さがこのウイスキーの個性と捉えれば、何も考えずサクッと飲みたいときにぴったりな銘柄といえるでしょう。





氷を加えてもライトで飲みやすく、ビターな味わいに変化します。口当たりはスッと馴染み、穀物由来の甘さがほんのりと感じられ、とても美味しい仕上がりです。
ハイボールで飲んでみる


香り
ハチミツ、リンゴ、焼き菓子、ハーブ
味わい
ライトでさっぱりとした味わい、モルトの香味、ハーブの余韻
感想
最後はハイボールで飲んでみます。
香りはだいぶ薄まってしまいましたが、炭酸で湧き上がる香りには、ハチミツやリンゴのフルーティーな香りと、焼き菓子のような甘く香ばしい香り、そしてハーブを思わせる薬草感が少しだけ感じ取れます。
口に含むと、とても軽やかでさっぱりとしていて「あまりの軽さ」にウイスキーの量を足したくなるほど。それほど味の主張が薄く、プレーンの酎ハイ並みにクリアな印象がありますが、どこかオイリーな舌触りを覚え、砂糖の甘さ、モルト感もわずかにあるので「この上なく軽いウイスキーハイボール」としては一番かもしれません。この味わいなら初心者でも抵抗なく飲めるでしょう。





ウイスキーを飲みはじめの方でも安心して飲めるライトで優しい味わいのハイボールです!食事にも合わせやすく常備酒としても👍️
よくある質問(FAQ)
「本当に1,000円台でこの品質?」
はい。ディアジオという大手による大量生産と、過剰なマーケティング費用を抑えることで、この驚異的なコストパフォーマンスを実現しています。
「ストレートで美味しくないって本当?」
個人の好みによりますが、穀物系の特徴的な味わいのため、モルトウイスキー好きには物足りないかもしれません。しかし、ハイボールでは別の魅力を発揮します。
「『バンド・オブ・ブラザース』の時代と同じ味?」
現在のボトルと当時では原酒構成が異なります。特に旧ボトルで使用されていたグレネスク蒸留所は現在閉鎖されているため、味わいは変化しています。
「他の安いスコッチとの違いは?」
ロイヤル・ロッホナガーというプレミアムモルトをキーモルトとして使用している点が最大の違い。単なる安酒ではない、ストーリーと品質を持った一本です。
「どんな人におすすめ?」
コスパ重視の方、ハイボール好きの方、『バンド・オブ・ブラザース』ファンの方、スコッチ入門者の方におすすめです。
まとめ
思わずジャケ買いしたくなるブレンデッド「VAT69」のレビューをしてみました。
ラベルの印象は「ハードな装い」ですが、味わいは「ライトでスムース」という意外な組み合わせ。クセがなく飲みやすい安価なスコッチとしては合格点だと思います。あまりに軽い飲み口に物足りなさもありますが、シングルモルトなど飲み続けた時の「締めの一杯」としては、軽やかなこういったウイスキーの方が良いかもしれません。
円安の影響で輸入ウイスキーの価格が上昇傾向にある中、VAT69はまだ1,000円台をキープしており、この価格でプレミアムモルト使用のスコッチが楽しめるのは貴重です。
ウイスキーを飲み始めたばかりの初心者の方にも飲みやすさに特化している部分が多いのでおすすめです。甘めの味わいが苦手で、さっぱりとした味の飲みやすいスコッチを好まれる人にはまさにうってつけの「安くて美味しいスコッチ」といえるでしょう。
毎日のハイボールをワンランク上げたい方や、コストパフォーマンスを重視する方には理想的な選択肢です。




最後までお読み頂きありがとうございました。



テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラスです!!
【おまけ情報】 『バンド・オブ・ブラザース』をもう一度見返すとき、ニクソン大尉がVAT 69を飲むシーンがより特別に感じられるはず。歴史とフィクションが交差する、ウイスキーならではの楽しみ方です。






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