

こんにちは!ウイスキーの魅力と楽しさを伝えるカエル「sister-ley」です!

今回は、ニッカウヰスキーの最高峰「鶴」の解説&レビューを行っていきます!
「ニッカの鶴って聞いたことあるけど、どこで買えるの?」「竹鶴とは違うの?」という声をよく聞きます。実は鶴、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝が人生最後に手がけた遺作であり、現在は余市と宮城峡の蒸溜所でしか買えない幻のボトルなんです!
実際に飲んでみた結論から先にお伝えすると、余市の力強さと宮城峡の華やかさが完璧に調和した、まさに「日本のウイスキーの父」が遺した最高傑作です!
この記事では実際に飲んだ体験談をもとになぜ鶴が「竹鶴政孝の魂が宿るボトル」として今も愛され続けるのか、その根拠を詳しく解説します!

まずはニッカウヰスキー「鶴」の基本スペックから確認していきましょう!歴史的背景や希少性をしっかり把握してから深く掘り下げていきます。
ニッカウヰスキー「鶴」の基本情報とスペック
| カテゴリー | ブレンデッド・ジャパニーズ・ウイスキープレミアム |
| 生産国 | 日本 |
| メーカー | ニッカウヰスキー株式会社 |
| 創業者 | 竹鶴政孝(日本のウイスキーの父) |
| 発売年 | 1976年竹鶴82歳の遺作 |
| 創業者逝去 | 1979年(発売から3年後) |
| 生産地 | 余市蒸溜所(北海道)+ 宮城峡蒸溜所(宮城県) |
| 販売形態 | 蒸溜所限定販売余市・宮城峡のみ |
| 熟成年数 | ノンエイジ(NAS)17年は2015年終売 |
| 価格帯(現行) | 推定13,000〜16,000円(税込・蒸溜所限定) |
| 購入制限 | お一人様1日1本厳格 |
| 原料配合 | 余市モルト + 宮城峡モルト + カフェグレーン |
| 余市の特徴 | 石炭直火蒸溜世界的希少、力強い、オイリー |
| 宮城峡の特徴 | 蒸気間接蒸溜、華やか、フルーティー |
| ブレンド哲学 | 「和」の哲学、対照的な個性の調和 |
| 味わいの特徴 | ドライフルーツ、ビターチョコ、お香、穏やかなスモーク |
| 17年二次流通価格 | 20,000〜28,000円伝説のボトル |
| ボトル種類 | 白陶器ボトル(17年終売品)、スリムガラス(現行) |
| おすすめの飲み方 | ストレート、加水、ロック、水割り |

長所と短所を正直にお伝えしました!入手困難ですが、それこそが「鶴」の価値を高めている要因でもあります。

さて、なぜニッカウヰスキー「鶴」がおすすめなのか?4つの決定的な理由を詳しく解説していきます!
なぜニッカウヰスキー「鶴」がおすすめなのか?【4つの理由】

竹鶴政孝の最終章として手がけた遺作
1976年、82歳の竹鶴政孝は自身の死期を悟っていたかのように、生涯の総決算として一つのウイスキーのブレンドに着手。それが「鶴」でした。「日本で本物のウイスキーをつくりたい」という情熱の全てを注ぎ込んだこのボトルは、発売からわずか3年後の1979年に政孝がこの世を去ったことで、文字通り遺作(Masterpiece)となったのです。
余市の力強さと宮城峡の華やかさの完璧な融合
余市蒸溜所の石炭直火蒸溜による厚みがあり力強くオイリーな原酒と、宮城峡蒸溜所の蒸気間接蒸溜によるフルーティーでエステリーな原酒。この対照的な2つの個性が、喧嘩することなく互いの長所を引き立て合う「和」の哲学が体現されています。
蒸溜所でしか買えない特別な体験
2015年の原酒不足により、「鶴」は一般流通を終了し、余市と宮城峡の蒸溜所内ショップ限定販売となりました。「現地に行かなければ買えない」という制約自体が、ブランド価値を高める重要な装置となっており、蒸溜所を訪れるファンへの「特別な体験」として機能しています。
伝説の17年と進化した現行ノンエイジ
終売となった「鶴17年」は、圧倒的な熟成感と複雑性で伝説となりました。一方、現行のノンエイジ版は、若い原酒も含めた幅広い原酒を使用することで、熟成感よりも「バランス」や「ニッカらしさ」を重視。年数表記がなくても、ブレンド技術の極みとして高い完成度を実現しています。

ここで「鶴」の歴史と、竹鶴政孝の生涯を振り返ってみましょう。創業者の情熱がこのボトルにどう込められたのか、深く掘り下げていきます!
ニッカの最高峰ウイスキー「鶴」について


突然ですが!!ニッカウヰスキーのフラッグシップウイスキーは何か?ご存じでしょうか!?

ニッカのフラッグシップウイスキーは、蒸溜所限定販売の「鶴」というブレンデッドウイスキーです!

ニッカウヰスキー「鶴」は、創業者の「竹鶴政孝」が生前最後に手掛けたウイスキーです。

竹鶴は悲願であった究極のブレンデッドウイスキー「鶴」を完成させて3年後に他界してしまいました。

今回は、竹鶴氏が長年かけて到達した集大成ともいうべきウイスキー「鶴」についてご紹介いたします!
竹鶴政孝の集大成ウイスキー「鶴」


「鶴」はニッカウヰスキーが厳選されたモルト、グレーンを使って造る究極のブレンデッドウイスキー!!

現在では、蒸溜所限定販売となっており、店頭に並ぶ機会は滅多にありません。

では、鶴の発売された経緯や歴代ボトルについての解説です。
1976年に発売されたニッカウヰスキーの「鶴」は、創業者である竹鶴政孝氏の集大成ともいえる遺作のウイスキーです。当時の「鶴」は現行の物とは異なり、真っ白な陶器のデザインをしていました。
この陶器ボトルのデザインと制作は、日本の陶器メーカーである「株式会社ノリタケカンパニー」によって行われ、ボトルには竹林に佇む鶴のデザインが施されています。ボトルネックも鳥類の鶴と同様に長いのが特徴で縁起物として日本では古来より尊重されてきた鶴をイメージしたデザインになっています。
現在では、一部のオークションなどでも販売されており、私自身も一度味わってみたいボトルの1つとして興味を持っています。

この陶器ボトルの「鶴」が誕生する背景には、ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所の原酒が熟成してきたことや、ニッカウヰスキー創設42周年というタイミングが大きく関係しています。
当時、創業者の竹鶴政孝氏は83歳であり、60年にわたるウイスキー造りの集大成として自身が目指す”本物”への創作に情熱を注ぎます。そして「鶴」は見事に完成し、後の1982年に竹鶴氏は最愛の妻リタの元へ旅立ったのです。
現在販売されている「鶴」はノンエイジ(年数非表示)の商品ですが、以前(2015年まで)は「鶴17年」という年数表記の商品も販売されていました。また、「鶴17年」の前身には「鶴 スリムボトル」という商品もあり、これまでに鶴は合計5種類のボトルがリリースされています。

スリムボトルが登場したのは1992年、陶器ボトルは17年表記となり、ラベルには息子の竹鶴威氏による自筆の「鶴」という文字が採用され、現行の「鶴」にも使用されています。

また、陶器やスリムボトル時代に描かれていた「竹と鶴」のデザインは、現行の鶴ではガラス製のボトルキャップに模様が描かれています。


最初の陶器ボトルとスリムボトルはノンエイジ、その後現在のデザインの17年と17年陶器ボトルが登場。

2015年からは、現在のノンエイジのみ展開し販売は蒸溜所のみとなっています。
鶴はニッカの技術を反映したウイスキー

使われているモルト原酒

「鶴」には、ニッカウヰスキーが自社所有の豊富なモルト原酒とグレーン原酒から厳選されたものが使われています。現在、ニッカウヰスキーは2つの蒸溜所を運営しており、1つは北海道の余市蒸溜所(ニッカウヰスキーの創業地)であり、もう1つは宮城県仙台市に位置し新川(にっかわ)に沿った宮城峡蒸溜所です。
それぞれの地で育まれたモルト原酒の中から、最高のブレンデッドウイスキーを作り出すため、長期熟成原酒はもちろん、さまざまな個性を持つ原酒が「鶴」に調和して織り込まれます。

ニッカウヰスキーが所有する膨大な原酒から、最高のものを使って造りだされているプレミアムウイスキーそれが「鶴」です!!
余市蒸溜所について

余市蒸溜所は竹鶴政孝氏が本物のウイスキー造りの理想の地として選んだ北海道余市町に位置しています。竹鶴氏は、サントリーの山崎蒸溜所の初代所長でありながら、「自分が求める味のウイスキー」を作るために、本場スコットランドに似た環境を持つ余市に蒸留所とニッカウヰスキーを設立しました。
余市蒸溜所の特徴の一つは、世界的に唯一現存する石炭直火蒸留を創業以来変えずに行っていることです。現代では効率や安全性を考慮して、スチームによる間接蒸留が一般的ですが、余市では石炭直火にこだわります。

この理由は、直火蒸留によって力強いモルトを生み出すためです。また、蒸留器の底を直接火で熱することで、モルトに独特の香ばしい焦げ感が生まれます。
実際に石炭を焚いて火加減に細心の注意を払うこの製造方法は、現代ではあまり見られないものです。余市蒸溜所は、竹鶴氏のウイスキーへの情熱が今でも息づいている場所の一つです。

世界的で唯一の石炭直火蒸留を行う余市蒸溜所。環境への配慮からいつ廃止されてもおかしくありません。貴著な余市モルトを守り抜く職人の方々は本当にすごいです!!
宮城峡蒸溜所について

宮城県仙台市の作並という県境付近に宮城峡蒸溜所が位置しています。この場所にはニッカの第2の蒸溜所が建設されましたが、その目的は余市とは異なる特性を持つモルト原酒の製造です。
宮城峡蒸溜所は、山に囲まれており、冷涼な気候の中でスチームによる間接式蒸溜を行っています。また、蒸留器の形状も余市とは異なり、丸みを帯びたバルジ型のものが使用されています。

蒸溜方法や蒸留器の形状、そして立地条件の違いにより、宮城峡蒸溜所では華やかで軽やかな味わいのウイスキーが生まれます。
さらに興味深い点として、宮城峡蒸溜所の近くを流れる川の名前が「新川(にっかわ)」であり、それが仕込み水として利用されているという運命的な関係があります。

隣接する新川の水で竹鶴氏は水割りを作り、蒸溜所建設を決めたそうです!!
使われているグレーン原酒

また、異なるモルトの個性を調和させるために欠かせないのがグレーン原酒です。「鶴」には、宮城峡蒸溜所で製造されるカフェグレーンと呼ばれる原酒が使われています。
このカフェグレーンは、イーニアス・コフィによって開発された連続式蒸留機(カフェスチル)を使用して造られています。この蒸留機は世界的にも珍しいものであり、生産能力は劣っていますが、原料の特性を生かした風味豊かなグレーン原酒が生まれます。

竹鶴政孝氏は昔ながらの手法を大切に守り、真のウイスキー造りを目指しました。そのこだわりは製造、熟成、ボトリングに至るまで随所に詰まったブレンデッドウイスキーとして、「鶴」というウイスキーに結実しています。

宮城峡のカフェスチルではウイスキーだけでなく、風味豊かなウォッカやジンなども製造されています。通常のジンやウォッカと違い味わいが豊かで飲みやすいのが特徴です。
カフェ式連続蒸留器(宮城峡蒸溜所)

現在、宮城峡蒸溜所にはカフェ式連続蒸留器が設置されています。この蒸留器はもともと兵庫県の西宮工場にあったものを宮城峡に移設したものです。先に述べたように、カフェ式連続蒸留器は素材の風味を引き出すために使用され、グレーン原酒の製造に適しています。竹鶴氏の信念を曲げず、ウイスキー職人たちのこだわりでもあるため、効率を求めずこの蒸留器を使用しているのでしょう。
ちなみに、「カフェ式」の綴は「coffey」と表記します。一般的に「コフィー」と読みますが、当時のニッカではこれを「カフェ」と読んでいました。読み間違いのまま、なぜか現在でも「カフェ」と呼んでいるのは、何ともニッカらしいです。


読み方の間違いがそのまま採用されているなんて面白いですね!!

ニッカのウイスキーに対する情熱を形にする2つ蒸溜所。その蒸溜所から厳選された原酒を使って「鶴」は造られています。
ニッカウヰスキー「鶴」の誇り高き歴史

1918年:竹鶴政孝、スコットランドへ
日本のウイスキーの父の誕生
1918年、竹鶴政孝は単身スコットランドへ渡ります。グラスゴー大学での勉学と現地蒸溜所での実習を通じて、本場のウイスキー造りを習得しました。
帰国後、寿屋(現サントリー)での山崎蒸溜所建設を経て、1934年に自らの理想郷を求めて北海道余市に大日本果汁株式会社(後のニッカウヰスキー)を設立します。
希望と苦難の時代
創業からの数十年は「希望と苦難の時代」でした。リンゴジュースやアップルブランデーで凌ぎながらウイスキーの熟成を待ち、1940年にようやく第1号ウイスキーを発売しました。

リンゴジュースで資金繰りをしながら、ウイスキーの熟成を待ち続けた…!この忍耐力が今のニッカを作ったんですね。
1969年:宮城峡蒸溜所竣工

2つの蒸溜所、2つの個性
1969年、第2の蒸溜所となる宮城峡蒸溜所(仙台工場)が竣工します。余市の「ハイランドスタイル(力強いピート、直火蒸留)」と、宮城峡の「ローランドスタイル(華やか、蒸気間接蒸留)」という2つの異なる原酒を手に入れたことで、竹鶴が理想とするブレンデッドウイスキーを作るためのパレットが完成したのです。
この2つの蒸溜所の原酒があってこそ、「鶴」は誕生できました。
1976年:「鶴」発売 – 竹鶴政孝82歳

生涯の総決算
1976年、竹鶴政孝は82歳となっていました。自身の死期を悟っていたかのように、彼は生涯の総決算として一つのウイスキーのブレンドに着手します。それが「鶴」でした。
名前に込められた意味
製品名である「鶴」には、多層的な意味が込められています
- 創業者「竹鶴(Taketsuru)」の姓にある「鶴」の一文字
- 日本文化における「鶴は千年、亀は万年」の長寿と繁栄の象徴
- 夫婦円満の象徴(先立った妻リタへの想い)
- ウイスキー造りの魂が永遠に続くことへの願い
ボトルデザインは、優美な曲線を描くスリムなフォルムで、まさに鶴が首を伸ばして佇む姿を模したものです。

妻リタへの想いや、自身の魂の永続を願って命名…深い意味が込められているんですね。
1979年:竹鶴政孝逝去
発売からわずか3年後の1979年、竹鶴政孝は85歳でこの世を去ります。「鶴」は文字通り、彼の遺作(Masterpiece)となったのです。
黄金時代:「鶴17年」の栄光(〜2015年)

特級ウイスキーとしての地位
長きにわたり、ブランドの主力商品は「鶴17年」でした。酒齢17年以上のモルト原酒とグレーン原酒を使用し、サントリーの「響17年」と双璧をなすプレミアムブレンデッドとして君臨しました。
白陶器ボトルのアイコン性
白陶器ボトルは、光を遮断し熟成環境を守る機能性と、工芸品としての美しさを兼ね備えていました。贈答用として圧倒的な人気を誇り、お歳暮・お中元の最高峰として日本の家庭に浸透していきました。
スリムガラスボトルの芸術性
竹鶴威(政孝の養子、第2代社長)による手書きの「鶴」の文字がラベルに刻印され、ガラスには鶴のレリーフが施されていました。
2014〜2015年:「ニッカショック」と終売

原酒不足の衝撃
2014年から2015年にかけて、日本のウイスキー業界は激震に見舞われました。NHK連続テレビ小説『マッサン』の放映によるウイスキーブームの爆発と、世界的なジャパニーズウイスキー評価の急上昇が重なり、需要が供給能力(熟成原酒の在庫)を遥かに超えてしまったのです。
ニッカウヰスキーは苦渋の決断として、「シングルモルト余市」「シングルモルト宮城峡」の年数表記品と共に、「鶴17年」の終売を発表しました。

『マッサン』効果で需要が爆発!でもウイスキーは急に作れない…苦渋の決断だったんですね。
2016年〜現在:蒸溜所限定・ノンエイジとして復活

新たな戦略
「鶴」という偉大なブランドを絶やしてはならないという意志のもと、ニッカは新たな戦略を採用しました。販売チャネルを「余市」と「宮城峡」の2つの蒸溜所内ショップに限定し、年数表記を外した「ノンエイジ」として販売を継続することにしたのです。
戦略的意図
- 流通量を絞ることで在庫枯渇を防ぐ
- 蒸溜所を訪れるファンへの「特別な体験(土産)」としての価値を最大化
- 若い原酒も含めた幅広い原酒を使用可能に
- 熟成感よりも「バランス」や「ニッカらしさ」を重視
2024年:価格改定の実施
2024年4月1日、ニッカウヰスキーは原材料費やエネルギーコストの高騰を背景に、主要商品の大幅な価格改定を実施しました。
主な改定内容
- 竹鶴ピュアモルト:4,500円→7,000円(+56%)
- シングルモルト余市:4,500円→7,000円(+56%)
- シングルモルト宮城峡:4,500円→7,000円(+56%)
蒸溜所限定品である「鶴」も、この価格改定に連動し、推定13,000〜16,000円前後に価格が上昇したと見られます。

いよいよ「鶴」の製造の秘密に迫ります!なぜ余市と宮城峡の2つの蒸溜所が必要だったのか?
余市×宮城峡の融合 – ブレンディングの哲学

重厚な骨格となる余市蒸溜所
世界的に稀少な石炭直火蒸溜
「鶴」のベースノート、すなわち味わいの骨格を形成するのは、北海道・余市蒸溜所のモルト原酒です。余市の最大の特徴は、世界でも稀となった「石炭直火蒸留(Coal-Fired Distillation)」にあります。
現代の多くの蒸溜所が温度管理の容易な蒸気加熱を採用する中、余市では熟練の職人が石炭をくべ、800〜1000度近い高温でポットスチルを加熱します。

メイラード反応
この際、スチルの底で醪(もろみ)の一部が焦げ付き、メイラード反応(香ばしいトースト香の生成)が起こります。これにより、余市の原酒は「厚みがあり、力強く、オイリー」な酒質となります。
ピートと潮風
さらに、ピート(泥炭)を使用した麦芽によるスモーキーなフレーバーと、石狩湾からの潮風がもたらす「ソルティ」なニュアンスが加わります。
鶴における役割
この余市モルトは、ブレンド全体に深みと重心の低さ、そして長期熟成に耐えうるボディを与えています。

石炭直火蒸溜は世界でも余市だけ!この伝統製法が「鶴」の骨格を作っているんですね。
華やかな肉付け「宮城峡蒸溜所」

蒸気間接加熱蒸留
一方、宮城県・宮城峡蒸溜所の原酒は、「鶴」に華やかさと洗練を与える役割を担います。広瀬川と新川の合流点にあるこの蒸溜所では、蒸気による間接加熱蒸留が行われます。
バルジ型スチル
スチルの形状もバルジ型(ネックに膨らみがある形状)をしており、蒸気の還流(リフラックス)が促進されることで、雑味の少ない、フルーティーでエステリーな原酒が生まれます。
カフェグレーンの存在
加えて、宮城峡にはカフェ式連続式蒸溜機(Coffey Still)が設置されており、ここで作られる高品質な「カフェグレーン」が、個性の強い余市モルトと宮城峡モルトを繋ぐ重要な「調和剤」として機能します。
鶴における役割
宮城峡のシェリー樽熟成原酒がキーモルトとして使用されていると推測され、これが製品特有のレーズンやドライフルーツを思わせる甘美なトップノートを形成しています。

余市が「骨格」で、宮城峡が「肉付け」!この2つがあってこそ、「鶴」の完璧な調和が生まれるんですね。
竹鶴政孝のブレンディング哲学

トリックはない
「ウイスキーづくりにトリックはない」という政孝の言葉通り、「鶴」のブレンドには奇をてらった手法は用いられていません。しかし、その配合比率は絶妙です。
一般的に、スモーキーな原酒とフルーティーな原酒、そしてグレーンウイスキーをバランス良くブレンドすることは至難の業。「鶴」においては、余市のピーティな主張を殺さずに、宮城峡の華やかさで包み込むという高度な構成が取られています。
「和」の哲学
対照的な原酒同士が喧嘩することなく、互いの長所を引き立て合う「和」の哲学が体現されているのです。

それでは、ニッカの最上級ブレンデッド「鶴」の味と香りを実際に飲んでレビューしてみたいと思います!!
ニッカ鶴を実際に飲んでみた

🥃 香りを比較
👅 味わいを比較
※数値は筆者の主観による評価です
ストレートで飲んでみる

香り
完熟のフルーツ、ウッディ、シュガー、レモングラス、スパイス、エステリー
味わい
円熟の味わい、若さとスパイシー
感想
では、ストレートで飲んでみます。
香りは非常に芳醇で、熟成したエステリーの香りが満ち溢れています。完熟したフルーツやレモングラス、熟成感のある樽香など、ノンエイジでもフラッグシップの品格ある香りが特徴的ですね。
口に含むと、非常に滑らかで、ひっかかりもなくスッと口の中に馴染みます。甘い果実の香りが一気に膨らみ、スパイシーさが後から追いかけてきます。余韻の中で少しビターな要素も感じられますが、フルーティーな香りが長く広がり、とても長い余韻を楽しむことができます。
ニッカウヰスキーは本場スコッチの味わいに特化したイメージが強いですが、「鶴」に関しては、サントリーのような日本人に合わせた飲みやすさを感じる味わいです。香りの印象も一瞬「響!?」と思えるほど華やかで、スコッチの要素はほとんど感じられませんでした。
陶器や鶴17年を試飲したことはありませんが、おそらくブレンドや味の方向性は現代に合わせたものになっているのではないかと推測します。

とってもフルーティーで長い年月をかけて熟成したモルトの味わいが楽しめます。ほんの少し若さを感じるスパイシーはありますが、それが良いアクセントになっていてモッタリしない芯の通った味わいが魅力的でした!!
ザ・ニッカと飲み比べてみた

せっかくなので、ニッカの高級ブレンデッド「ザ・ニッカ」と「鶴」を飲み比べてみました。どちらもすでに開栓されていて、香りや味がかなり開放されていると思います。
まずは香りですが、鶴もザ・ニッカも熟成感のあるエステリーな香りがあります。ただ、鶴の方が圧倒的に濃く、熟成感も強く感じられます。香りの方向性は似ていますが、ザ・ニッカにはグレーンの香ばしさや軽やかさが目立って、焦げた感じの香りが印象的です。
味わいに関しては、鶴の方が円みがあって非常にまろやかで、濃厚なモルトの風味が楽しめます。一方、ザ・ニッカはグレーンの軽やかな香りと原酒の若さが際立ちました。
どちらも素晴らしいウイスキーですが、ザ・ニッカを単体で飲むときはきっとまろやかで素晴らしい味わいを感じることができると思います。しかし、こうして飲み比べるとスペックの違いが如実に感じられてしまいます。
⚔️ ニッカ「鶴」 vs ザ・ニッカ 実際に飲み比べた結果
飲み比べて分かった
「決定的な違い」
🔴 ニッカ「鶴」の特徴
- ✅ 圧倒的な熟成感:エステリーな芳香が格段に濃厚。
- ✅ まろやかさ:アルコールの角がなく、ひっかかりがない。
- ✅ 華やかさ:「響」と錯覚するほどフルーティーで甘美。
- ✅ 総評:スコッチの要素を感じさせない、日本人好みの円熟した味わい。
🔵 「ザ・ニッカ」の特徴
- ✅ 香ばしさ:クッキーやビスケットのようなモルト香。
- ✅ 軽快さ:カフェグレーンのやわらかな甘さと、キレのある味わい。
- ✅ 若さ:鶴と比較すると原酒の若さが際立つが、ハイボールでの爽快さは抜群。
- ✅ 総評:単体で飲むと非常にバランスが良いが、飲み比べるとグレーンの個性が目立つ。
どっちを選ぶ?おすすめタイプ
- 竹鶴政孝の遺作を味わいたい
- ニッカの最高峰を体験したい
- 華やかなウイスキーが好き
- 今すぐ酒屋で買いたい(コスパ)
- モルトベースの力強さが好き
- ストレートでもハイボールでも
ザ・ニッカは前身の「ザ・ニッカ12年」の頃から大好きなウイスキーですが、鶴と飲み比べるとグレーンの比率が多いと感じたのはとても興味深い発見でした。きっと単品では感じなかったことかもしれません。
鶴は圧倒的な熟成感と濃厚さで「ニッカのブレンデッド最高峰」の名にふさわしい一本。蒸溜所限定という入手難易度の高さも相まって、特別な価値を持つウイスキーと言えます。
一方、ザ・ニッカは全国で入手可能で、価格も比較的安定している「フラッグシップ」としての役割を果たしています。単体で飲めばまろやかで素晴らしい味わいを楽しめる、日常的に楽しめるプレミアムブレンデッドです。
ロックで飲んでみる

香り
完熟フルーツ、シトラス、焦げ感、ハチミツ
味わい
シトラスと花、ビターがアクセント
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。
香りは、ストレートとは異なりフレッシュな印象を持ちます。重厚なエステリー感はありますが、シトラスとハチミツのような爽やかさが香りに混ざっています。さらに、樽香に加えて焦げたような香りと花のようなフローラル感も感じられました。
口に含むと、香ばしく華やかな香りが口の中に広がり、フルーティーな味わいが広がってきます。そして、追いかけるようにビターさを感じ、少しスモーキーな香りが口の中に広がり、スパイシーな印象が余韻に残ります。
ストレートでは少し重く感じるかもしれない重厚さは、氷を入れることで飲みやすくなり、フローラルな香りは「鶴」の味わいに華やかな印象を与えてくれています。

個人的にはストレート推しですが、普段ロックでウイスキーを飲み方なら圧倒的な華やかさに驚くと思います。蒸留所限定ではありますが、高いのも納得する味わいのウイスキー!!
ハイボールで飲んでみる

香り
フルーツ、スモーク、香ばしい麦、花、ハチミツ
味わい
フローラルな香味とビターが主体
感想
最後はハイボールで飲んでみます。香りは、完熟とまではいかない爽やかなフルーツとスモーク、焼きあがったラスクのような香ばしさ、花の蜜、そしてハチミツを感じます。
口に含むと、香ばしい麦の香りと草花を思わせるグラッシーな香りが広がります。そして、ややスモーキーな香りとビターさが広がり、焦げた感じの香ばしい余韻へと変化していきます。
焦げた感じや香ばしさ、甘酸っぱい味わいなど、「シングルモルト余市」の特徴も感じられ、ハイボールでも十分楽しめる味わいでした。

炭酸の爽やかさに、鶴のフローラルな香りが絶妙にマッチ!!味わいはビターが強めですが、比率を濃いめにしてあげる事で熟成感のあるエステリーハイボールも楽しめます。贅沢すぎる・・・

ニッカウヰスキーには他にも素晴らしいラインナップがありますね。「鶴」との違いを比較してみましょう!
ニッカファミリーでの位置づけ
| 製品名 | 販売形態 | 特徴 | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| 鶴(ノンエイジ) 竹鶴政孝の遺作 | 蒸溜所限定 | 余市+宮城峡+グレーンのブレンド、最高峰、お一人様1本限り | 推定13,000〜16,000円 |
| 鶴17年 2015年終売 | 終売品 | 17年以上熟成、白陶器/スリムガラス、伝説のボトル | 二次流通 20,000〜28,000円 |
| 竹鶴ピュアモルト | 一般流通 | 余市+宮城峡のモルトのみ、ピュアモルトの代表格 | 約7,000円 |
| ザ・ニッカ | 一般流通 | プレミアムブレンデッド、カフェグレーン+カフェモルト使用 | 約6,000円 |
| シングルモルト余市 | 一般流通 | 余市のみ、石炭直火蒸溜、力強い、スモーキー | 約7,000円 |
| シングルモルト宮城峡 | 一般流通 | 宮城峡のみ、蒸気間接蒸溜、華やか、フルーティー | 約7,000円 |
| 余市/宮城峡 構成原酒シリーズ 蒸溜所限定 | 蒸溜所限定 | ピーティ&ソルティ、ウッディ&バニラ等、500ml/180ml | 様々 |
鶴 vs 竹鶴ピュアモルト
鶴の特徴
- 蒸溜所限定販売
- モルト+グレーンのブレンデッド
- 創業者の遺作として最高峰
- 推定13,000〜16,000円
竹鶴ピュアモルトの特徴
- 一般流通品
- モルトのみ(余市+宮城峡)
- ピュアモルトの代表格
- 7,000円(2024年改定後)
鶴 vs ザ・ニッカ
ザ・ニッカの特徴
- プレミアムブレンデッド
- 一般流通品
- カフェグレーンとカフェモルト使用
- 6,000円(価格据え置き)

せっかくの「鶴」、おつまみや料理との組み合わせも楽しみたいですよね!おすすめのペアリングをご紹介します。
食とのペアリング提案

和食との完璧なマッチング
焼き鳥(塩・たれ) 余市のスモーキーさと焼き鳥の香ばしさが完璧にマッチ。ハイボールで合わせると最高です。
うなぎの蒲焼 甘辛いタレと、「鶴」のドライフルーツやビターな風味が調和します。
すき焼き・しゃぶしゃぶ 肉の旨味と「鶴」の複雑な味わいが高め合います。特にすき焼きの甘辛さとの相性は抜群。
刺身・寿司 宮城峡の華やかさが、新鮮な魚介の旨味を引き立てます。特に脂ののった中トロやサーモンと好相性。
洋食との調和
ローストビーフ 余市の力強さが、赤身肉の鉄分や脂に負けません。ホースラディッシュの辛味ともマッチ。
フォアグラ 濃厚なフォアグラと、「鶴」のシェリー樽由来のドライフルーツ香が完璧に調和します。
ダークチョコレート シェリー樽のビターな風味と、カカオ70%以上のダークチョコレートが共鳴します。
チーズとナッツ
ハードチーズ パルミジャーノ・レッジャーノ、グリュイエール、コンテなど。熟成チーズの旨味と「鶴」の複雑さが調和。
ブルーチーズ ゴルゴンゾーラやロックフォールの強烈な風味に、「鶴」の力強さが負けません。
ミックスナッツ ローストアーモンド、カシューナッツ、クルミ。ナッツの香ばしさと「鶴」の香味が共鳴します。

和食から洋食まで幅広く合わせられる懐の深さ!特に焼き鳥や刺身との相性は驚きです。

ニッカウヰスキー「鶴」について気になる疑問にお答えします!購入方法、17年との違い、価格など、よくある質問をまとめました。
よくある質問(FAQ)
「鶴はどこで買えるの?」
現在、「鶴」を定価で入手する唯一の確実な方法は、北海道の余市蒸溜所、または宮城の宮城峡蒸溜所を訪れることです。一般の酒販店やオンラインショップでは販売されていません(二次流通を除く)。

蒸留所に見当たらなくても諦めるのはまだ早い!実は温泉旅館の売店に売っていたりと穴場も多く存在します!
「在庫は常にあるの?」
いいえ、常に在庫があるわけではありません。特に週末や連休、外国人観光客の多いシーズン(スキーシーズン等)には、午前中で完売することも珍しくありません。平日の午前中が最も購入確率が高いとされています。
「購入制限はある?」
はい、原則として「お一人様1日1本」などの制限が設けられています。転売防止のため、購入時に身分証の提示を求められることもあります。
「17年とノンエイジの違いは?」
17年は酒齢17年以上の原酒のみを使用し、圧倒的な熟成感と複雑性が特徴でした(2015年終売)。現行のノンエイジは、若い原酒も含めた幅広い原酒を使用し、バランスと華やかさを重視しています。17年とは「別物」ですが、ブレンド技術の極みとして高い完成度を持ちます。
「二次流通での価格は?」
17年:20,000〜28,000円、ノンエイジ:12,000〜16,000円が相場です(2024-2025年時点)。特に白陶器ボトルの17年は、コレクターズアイテムとして高値で取引されています。
「竹鶴ピュアモルトとの違いは?」
「竹鶴」はピュアモルト(モルトのみ)で一般流通品。「鶴」はブレンデッド(モルト+グレーン)で蒸溜所限定品です。「鶴」の方が上位ブランドとして位置づけられており、創業者の遺作という特別な意味を持ちます。
「投資対象になる?」
白陶器ボトルの「鶴17年」は、今後数が減ることはあっても増えることはないため、保存状態の良い個体は長期的に安定した資産価値を維持すると予測されます。ただし、飲むための酒として楽しむことを第一に考えるべきです。
まとめ
ニッカウヰスキーのフラッグシップウイスキー「鶴」のレビューでした。
驚くべきことに、ニッカのフラッグシップである「鶴」は、どんな人でも心地よいと感じる絶妙なバランスを持つウイスキーです。一つ一つの味わいが巧みに組み合わされ、繊細な風味が醸し出されています。
このウイスキーはノンエイジ仕様ですが、他のウイスキーにはない熟成の深みや、厳選されたモルトの濃厚なエステリーさなど、「本物」を求め続けた竹鶴氏の情熱が感じられます。
陶器ボトルで知られる「鶴」は入手困難となってしまいましたが、現行のボトルでも最高級の味わいを楽しむことができます。
もちろん、蒸溜所限定のため、酒販店での購入はできませんが、この素晴らしいウイスキーを味わう機会があれば、ぜひお試しください!
魅力的な香りと深い味わいが素晴らしい時間を過ごさせてくれると思います!

ネットでもちょいプレ値くらいで収まっているのが不思議なくらい美味しいウイスキーです。定価でも中々のお値段ですが、良い日に飲みたくなる素晴らしい味わいでした!!

最後までお読み頂きありがとうございました。

テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。






コメント
コメント失礼します。
鶴のスリムボトルや17年表記を調べていてこちらに辿り着きました。
まとめありがとうございました。
大変失礼ながら申し上げますが、鶴のスリムボトルが販売されたのは平成2年です。
下記、ニッカ様HPの確認をお願い申し上げます。
https://www.nikka.com/80th/story/nikka_and_me/page13.html
何卒よろしくお願いします。
サマンサ様
貴重なご指摘ありがとうございました。訂正させていただきます!!