【レビュー】新発売!ニッカフロンティアの味と香り、オススメの飲み方を徹底解説!

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sister-ley
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こんにちは!ウイスキーの魅力と楽しさを伝えるカエル「sister-ley」です!今回も、魅力的なウイスキーの解説&レビューを行っていきます!

1934年に竹鶴政孝の情熱で誕生したニッカウヰスキーは、余市蒸溜所と宮城峡蒸溜所を拠点に、日本のウイスキー文化を支えてきました。そして2024年10月1日、待望の新商品「ニッカ フロンティア」がついに発売。本記事では、ニッカの歴史や特徴を振り返りながら、ニッカフロンティアの魅力とその味わいを詳しくレビューします。

ニッカフロンティアはこんなウイスキー

ウイスキー属性 ブレンデッド
産地(メーカー) 日本(ニッカウヰスキー)
原料 モルト・グレーン
味わい ニッカらしいコクのある味わい
飲みやすさ ★★★★☆☆
おすすめの飲み方 何でもOK
個人的感想 味よし!コスパよし!

創業90周年の節目に登場

ニッカウヰスキーが創業90周年を迎えた2024年に、全く新しいプレミアムブレンデッドウイスキー「ニッカ フロンティア」が登場します。これは、「ニッカ セッション」以来4年ぶりとなる通年商品であり、竹鶴政孝が抱いたウイスキーづくりの原点と夢を再現するような銘柄です。発表会は、ニッカウヰスキーの原点である北海道の余市で行われ、余市の地で新たなウイスキーの歴史がスタートすることを象徴しています。

ニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝は、ウイスキーづくりの理想を追い求め、スコットランドに渡って本場の技術を学びました。彼はグラスゴー大学で醸造学を学び、さらにはいくつかの蒸溜所で実習を積み、伝統的な製法を身につけます。日本に帰国後、竹鶴はその経験を活かし、ニッカウヰスキーの前身である「大日本果汁株式会社」を設立。初期にはリンゴジュースを中心に生産していましたが、徐々に本格的なウイスキー製造へと移行します。

Key(筆者)
Key(筆者)

ニッカという名称は、この時の「ダイニッポンジュウ」に由来しています。

北海道の余市町に位置する余市蒸溜所は、1934年に竹鶴政孝が設立したニッカウヰスキーの最初の蒸溜所です。この場所は、スコットランドのキャンベルタウン地方に非常によく似た気候と自然条件を持ち、ウイスキーづくりに理想的な環境です。冷涼で湿潤な気候は、ウイスキーの熟成に適しており、霧が多発することで、ゆっくりとした熟成を促します。また、余市町はリンゴの産地としても有名で、蒸溜所の初期にはリンゴジュースの製造も行われていました。

余市蒸溜所の最大の特徴は、スコットランドでもほとんど見られなくなった「石炭直火蒸溜」を今でも採用している点です。石炭直火蒸溜とは、ポットスチル(蒸溜器)を石炭の直火で加熱する伝統的な手法であり、これにより原酒に独特のスモーキーさと重厚感を与えます。竹鶴政孝がスコットランドで修行した際に経験したこの製法は、現代では非効率的とされていますが、ニッカウヰスキーはその伝統を守り続けています。

ポットスチル自体も下向きラインアームを持つストレートヘッド型で、これにより重厚な風味を持つ原酒が蒸溜されます。この独特の風味は、他の蒸溜所ではなかなか再現できないものです。また、余市では、ウイスキーを貯蔵する際の貯蔵庫も土間造りであり、これが安定した湿度管理を可能にしています。余市のウイスキーは、力強く、ピーティーでスモーキーな風味が特徴で、ジャパニーズウイスキーの中でも特に男性的な味わいが際立っています。

Key(筆者)
Key(筆者)

非効率かもしれませんが、ニッカでは石炭直火蒸留でしか出せない味わいを今でも大切に守り続けています。

余市蒸溜所で製造されたウイスキーは、世界的に高い評価を得ています。特に、2001年にリリースされた「シングルカスク余市」は、ウイスキーマガジンのブラインドテイスティングで「ベスト・オブ・ベスト」の最高得点を獲得し、ジャパニーズウイスキーが世界に認められるきっかけとなりました。この成功により、余市のウイスキーはその力強い個性を武器に、世界中のウイスキーファンに愛され続けています。

1969年に設立された宮城峡蒸溜所は、竹鶴政孝が2つ目の蒸溜所として選んだ場所で、宮城県仙台市近郊の豊かな自然に囲まれた地にあります。竹鶴は、余市蒸溜所とは異なるタイプのウイスキーを作るため、宮城峡ではフルーティで華やかな味わいを追求しました。この地の選定理由のひとつは、新川川(にっかわがわ)の清らかな伏流水です。竹鶴は、この水で作ったウイスキーに特別な風味を見出し、蒸溜所の建設を決意しました。

Key(筆者)
Key(筆者)

蒸留所建設を決めた土地にたまたま流れていたのが「新川(にっかわ」という名称の川、偶然と呼ぶべきか、必然と呼ぶべきか!?

Caoli(助手)
Caoli(助手)

この新川の水で”水割り”を作り味わいを確かめた竹鶴政孝は、この地に宮城峡蒸留所の建設を決めたそうです!

宮城峡蒸溜所のウイスキーづくりは、余市とは対照的なスタイルを持っています。宮城峡では、ポットスチルの加熱に蒸気を使用する「間接蒸溜方式」が採用されています。これは、石炭直火蒸溜のような強い熱を使わず、より穏やかに蒸溜を行う方法です。この蒸溜方法により、軽やかでフルーティなウイスキーが生まれます。

また、宮城峡では、バルジ型のポットスチルを使用しており、この形状によって蒸溜中に還流が強く起こり、軽い成分のみが通過します。これが、宮城峡の華やかでフルーティな香味を生み出す要因となっています。さらに、宮城峡では、カフェ式蒸溜機を用いてグレーンウイスキーも製造しており、このグレーンウイスキーがブレンデッドウイスキーの重要な要素となっています。

Key(筆者)
Key(筆者)

非効率であってもカフェスチルでしか出せない素材の味を活かした原酒造りを今でも大切に守っています!

宮城峡蒸溜所のウイスキーは、フルーティで優雅な香りと、スムースな口当たりが特徴です。余市の力強いスモーキーさとは対照的で、女性的なエレガンスを持つウイスキーとして知られています。また、グレーンウイスキーの製造も行っていることから、ニッカウヰスキーのブレンデッドウイスキーの多くに宮城峡の原酒が使用されています。宮城峡蒸溜所は、その高い品質とバラエティ豊かなウイスキーで、国内外のウイスキーファンに支持されています。

ベンネヴィス蒸留所は、スコットランドのハイランド地方に位置し、その名前は近くにそびえる英国最高峰「ベンネヴィス山」(標高1345メートル)から由来しています。名前の由来として、「ベン」はゲール語で「山」、「ネヴィス」は「水」を意味し、豊かな自然環境に囲まれた特別な場所にあることが伺えます。創業者であるジョン・マクドナルドは「ロング・ジョン」として知られ、その名は後に有名なブレンデッドスコッチのブランド名にもなりました。

ベンネヴィス蒸留所は1825年にジョン・マクドナルドによって設立され、彼の息子ドナルドがその後を引き継ぎました。蒸留所は長年にわたり多くの変遷を経てきました。特に1970年代から1980年代にかけて、蒸留所は一時的に閉鎖されるなど、厳しい時期を迎えましたが、1989年に日本のニッカウヰスキーによって買収され、再びその生産が本格化しました。これは、スコッチウイスキー業界における日本企業の関与が進んだ時代の象徴的な出来事です。

ベンネヴィス蒸留所で生産された原酒は、単独でシングルモルトとしてリリースされるだけでなく、ニッカウヰスキーの様々な製品にも使用されています。特に、ニッカの代表的なブレンデッドウイスキーやピュアモルトなどには、ベンネヴィスのウイスキーが原酒として重要な役割を果たしており、スコッチとジャパニーズウイスキーの融合を象徴する存在となっています。

ベンネヴィス蒸留所の製造には、ベンネヴィス山の北側にある湖から採水される純度の高い水が使用されています。大麦麦芽にはわずかに泥炭を使用しており、スモーキーな香りが特徴的です。糖化工程では、粉砕されたモルト(グリスト)がマッシュタンで加熱水と混ぜられ、酵素の働きで糖が抽出されます。

発酵にはステンレス製のウォッシュバックを使用し、酵母を加えることでアルコール度数約8%のウォッシュと呼ばれる液体が生成されます。その後、ベンネヴィス蒸留所では2回蒸留が行われ、独自のポットスチルで蒸留されたスピリッツは、フルーティーでエッジの効いた香りが際立つモルトウイスキーになります。

「ニッカ フロンティア」は、余市蒸溜所のヘビーピートモルト原酒を核に、モルト原酒の比率が51%以上という非常に高いブレンデッドウイスキーです。余市のスモーキーさと重厚感をしっかりと引き継ぎながらも、冷却ろ過を行わないことで、モルト本来の豊かな香味を細部まで感じられる仕上がりとなっています。48%のアルコール度数ながら、滑らかな舌触りとフルーティな甘みが特徴で、ストレートでも十分に楽しめるプレミアムな一本です。

ウイスキー情報
項目 詳細
原材料名 モルト、グレーン
原料原産地名 英国製造、国内製造(モルトウイスキー)
内容量 500ml
アルコール分 48%

「ニッカ フロンティア」のボトルデザインは、シンプルながらも力強い印象を与えます。ラベルには大きく「N」のロゴが配置され、エンブレムやしめ縄など、ニッカウヰスキーの象徴的な要素が散りばめられています。このボトルデザインには、ニッカウヰスキーの伝統と未来への挑戦が込められています。500mlで税込2,200円という価格設定も非常に手頃であり、プレミアムウイスキーを手軽に楽しみたいという新世代のウイスキーファンにもオススメです。

Key(筆者)
Key(筆者)

モルト比率も多くノンチルフィルタード仕様というウイスキー好きにはたまらない仕様!

Caoli(助手)
Caoli(助手)

キーモルトに余市モルトを採用しているにもかかわらず、価格はお手頃なのも魅力的です!

sister-ley
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それでは、ストレート、ロック、ハイボールの3種類の飲み方で味と香りをみていきましょう!

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ニッカフロンティアをテイスティング(実際に飲んでみた)

ニッカフロンティアを実際に飲む画像

ニッカフロンティアのフレーバー

ニッカフロンティアの味わい

ストレートで飲んでみる

香り

  • リンゴ、蜜、ハチミツ、バニラ、パウンドケーキ、塩キャラメル、ピート

味わい

  • 甘やかでフルーティー、ライトなスモーク

感想

まずはストレートで飲んでみます。

香りは、まさに「これぞニッカ」と言わんばかりのリンゴのフルーティーさに、蜜やハチミツの甘やかな香りが広がります。そこにバニラやしっとりとしたパウンドケーキ、塩キャラメルのコクのある香りが加わり、ほのかなピートも感じ取れます。さらに時間を置くと、甘い香りが増し、クリーミーなカスタードの香りが全体を包み込むように広がります。

口に含むと、まずリンゴのフルーティーな香りとクリーミーなカスタードの甘みが口中に広がります。その後、ウッディな木の渋みとほのかなピートのニュアンスが現れ、徐々にビターな味わいへと変化していきます。余韻では、リンゴの香りに加えてライトなスモーク、ビター、そしてスパイシーさが複雑に絡み合いながら、ゆっくりと消えていきます。

500mlながら2,000円という価格でこのクオリティはさすがと言える仕上がりです。モルト比率51%のコクのある味わいは、アルコール感が控えめでありながらもしっかりとした満足感を与え、ウイスキーブームの中でも非常にコストパフォーマンスに優れた素晴らしい味わいだと感じました。

Key(筆者)
Key(筆者)

余市モルトの力強くコクのあるモルト感と、ニッカらしいリンゴのフルーティーな香り、ウイスキーの美味しさが濃縮された味わいです!

ロックで飲んでみる

香り

  • 青りんご、カスタード、ハチミツ、パウンドケーキ、ピート

味わい

  • ビターでウッディな余韻

感想

次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。

香りは、蜜がたっぷり詰まった熟したリンゴから、フレッシュな青りんごや洋梨のような爽やかなフルーティーさへと変化し、しっとりとしたカスタードのクリーミーな甘さに、ハチミツの華やかな香りが加わります。さらに、温かみのあるふっくらとしたパウンドケーキの香りが広がり、ほのかにピートのニュアンスが漂います。

口に含むと、リンゴの甘酸っぱくフルーティーな香りが口いっぱいに広がり、続いて樽の内側を思わせる木の渋みが顔を出します。奥からビターとスパイシーな風味が徐々に膨らみ、そのままビター感とウッディな渋みが絡み合いながら、キリッとしたウッディな余韻がすっと消えていきます。

氷を加えることで香りはさらにフレッシュな印象に変わり、味わいの中心はビターな方向へシフトします。ストレートで甘さを感じた方には、爽やかなオン・ザ・ロックが好相性かもしれません。しかし、冷やされてもニッカらしいリンゴの香りと力強いモルティな味わいは損なわれず、アルコール度数の高さがその恩恵としてしっかり感じられます。

Key(筆者)
Key(筆者)

氷を入れるとビターさと渋みが増してきますが、ニッカらしいコクのある甘やかさは崩れません。これで本当に\2,000代のウイスキー!?

ハイボールで飲んでみる

香り

  • リンゴ、ビターチョコ、スモーク、カスタード

味わい

  • フルーティーで甘酸っぱくスモーキー

感想

最後はハイボールで飲んでみます。

香りは、フレッシュに切ったばかりのリンゴとほろ苦いビターチョコが感じられ、そこにスモーキーなニュアンスとクリーミーなカスタードが絶妙に混ざり合います。香りが少し落ち着いた後も、ニッカらしさはしっかりと残り、その存在感を保っています。

口に含むと、ほろ苦いビターチョコとリンゴの甘酸っぱい香りがふわりと広がり、淡く漂うスモーキーなニュアンスが続きます。そして、クリーミーなカスタードの甘さが甘酸っぱさの中に溶け込みつつ、ピートの香りが立ち上がり、スモークとビターの調和が取れた味わいに。余韻はフルーティーな香りがバランスよく重なり合いながら、さっと消えていきます。

グレーンのさっぱりとした印象は控えめで、代わりにコクのあるモルティな香りがソーダとともに口の中で広がります。そのため、飲みごたえがあり、「ディープブレンド」の上位互換とも言えるような深みのある味わいが際立って秀逸です!フロム・ザ・バレルの代替えとしてもオススメ!

Key(筆者)
Key(筆者)

初心者の方でもスモーキーさは気にならないレベルです!それよりも、モルトのコクのある香りと味わいを是非、楽しんでほしい味わいでした!

香り

  • リンゴ、黒蜜、バニラ、キャラメル、スモーク、ピート

味わい

  • コクのある甘やかさとビター感

感想

最後にニッカウヰスキーが推奨する「フロートハイボール」で飲んでみます。

香りは、ニッカらしいリンゴの甘酸っぱさに加え、糖蜜や黒糖の甘さ、そしてバニラやキャラメル、フロランタンを思わせる香ばしいアーモンドの香りが広がります。さらに、かすかにスモーキーでピートのニュアンスも漂っています。

口に含むと、リンゴの爽やかな香りとコクのある甘さが広がり、モルトの香ばしい麦感が加わります。そこに樽由来のウッディな香りとビターさが追いかけ、最後に優しいスモーク感が鼻を抜けていきます。グラスを傾ける度に炭酸とのバランスが変わり、香りが徐々に酸味を帯びてきます。その結果、リンゴの甘酸っぱさや麦の香ばしさが引き立ち、最初に感じた骨太な余市モルトのニュアンスが、次第に甘酸っぱく華やかな印象の宮城峡を思わせるものへと変わっていきます。味わいが変化するにつれ、スモーキーな香りも徐々に薄れ、最終的には華やかで蒸した穀物を思わせる酸味が広がる爽やかな印象が残ります。

「ウイスキーフロート」というクラシックなスタイルはありますが、ハイボールで飲んだのはこれが初めてでした。コクのあるニッカらしい味わいから、華やかな印象へと変わっていく様子は非常に面白く感じました。ただ、炭酸の爽快さをあまり感じられず、味わいの変化を楽しむためにグラスの傾け方に気を配りながら飲む必要がありました。下に溜まった炭酸と一緒にハイボールとして一気に飲みたい衝動を抑えるのが、最大の課題です。

Key(筆者)
Key(筆者)

味わいの変化を楽しめるという点では非常に面白い飲み方だと思います!しかし、やはりハイボールの魅力はサッと一気に飲む爽快感にあるのではないか、と感じました。

まとめ

ニッカフロンティア総合評価
イマイチ
良い

ニッカウヰスキー創業90周年を記念して発売されたブレンデッドウイスキー「ニッカ フロンティア」は、創業の地である余市のリンゴ畑を思わせる甘酸っぱくフルーティーな香りと、伝統の石炭直火蒸留によるコク深い味わい、ほのかなピート感が特徴で、ウイスキーファンも納得の一品です。

飲みやすさが求められる昨今のウイスキー市場においても、このウイスキーはモルト本来の豊かな香りと重厚な味わいを楽しめる逸品であり、ニッカのこだわりと情熱が感じられます。余市の自然と伝統が詰まった「ニッカ フロンティア」は、ウイスキーファンはもちろん、これからウイスキーを楽しみたい方にも自信を持っておすすめできる、新たなニッカのスタンダードボトルです。

最後までお読み頂きありがとうございました。

テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラスです!!

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